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不定期こーしん☆

萌えってなんだ

あるオタクは推しが何かを食べてるだけで萌えになると言った

なぜなのか そもそも推しをある意味で我々と同等の存在として見てないがゆえに、生命活動に欠かせない食事の姿すらSSRな要素として「覗いてしまった」感覚に陥ることによって、一部の拗らせオタクは推しの食事最中を性的なものとして捉えるのではないか

とか

そういう何というか、オタクのあらゆる萌えのメカニズムを美学的観点で分析するとか、どうですか

身体についてのオートフィクション

最近は簡単に1ヶ月が経っていくからもっと月日を追い越していきたいと思う

顔も名も知らない漫画家さんが毎月連載していることが救いで、はたまた物語を求める行為それ自体があまりに物語的なところに救われている

夕焼けをたくさん浴びて地面にサンダルをぺたぺたつけて自分の影が長く伸びているのを見つめて、それでどうということもない

早くしないと身体中の骨がばらばらと音を立ててほどけてしまいそうで

〈一者to hen〉から流れ出て私たちと私たち以外の全てはかたちをもったのに、私は私自身から新たに流れ出てしまうかと思った

私は少し泣いたのかもしれない

お風呂上がりに冷房の効いた部屋にいたら、周りの空気はひんやりしていて自分の肉体を縁取るように温かかったので、あ、生きていると思った

身体が外付けのハードウェアのような役割をしていて本当によかったと思うし、身体のおかげで人間みたいに体裁を保てる 夜になって深い眠りに就き、朝になって目覚める、これだけでもう人間みたいだし

布団から起き上がりすぐに化粧を始める 頬に、瞼に、睫毛に、くちびる、耳に、手首に、指に、爪に、どんどん飾れるだけ飾る

鏡の前に立つと知らない人間が立っていて、そうだ これでいい

どうしてかお腹が空かなかった 仕方がないので甘い甘いミルクティーを飲みました だんだん死んでいく、心を守るためまず食欲が死んだ 果実みたいな生存戦略を練って

ホットケーキの上で何層かに重なってそして間も無く染みていく蜂蜜みたいに倒れ込む 

プロティノスの流出説はギリシア哲学の中で最も美しい直観の一つです 終わり

オートフィクション_3

随分長いこと波打ち際になっている 月に導かれるままゆらゆら漂う

夜の海に飛び込んで夜の海の真っ暗に飲み込まれて誰にも気づかれないまま苦しくて堪らずあ、死ぬ!と思ったらそのまま何事もなかったかのようにお家にワープして暖かいお日様の匂いの布団に身を包んで眠りたい、えっ眠りたくありませんか?

それともじゃあ何がしたいって言うんですか

自粛終わったら外食しよーとかあれどこいったんですか

あ;あ 私いま別に特定の誰かに向けて話してない;

物語に話しかけるのが好きで人間と喋るのは嫌い

だから私はいつまでも波打ち際になっている

それよりチョコみたいな味が食べたくて冷蔵庫のチョコを見たら白くなっていた

ファットブルームとか活字中毒しか知らなくて活字中毒は全員知ってる言葉だろ

ある種の脅迫観念に名前がついてると安心する、たとえ自分がそれに属さなくても

小学校の避難訓練でクラスごとに一列になって固まって、その時の廊下の空気の冷たさとか、おかしもの「し」のおかげであーこんなに大勢でいるのに喋らなくていいんだなとなんだか安心したその感覚に似てるな

あのときあの時間に喋っていたそいつを見てああ、どこか自分とは違う人間だって思って い た かもしれないし、捏造かも

波打ち際の白色と冷蔵庫のチョコの白色を知っている人だけ私と話せ

それ以外、誰も近寄らないで

離れろ

離れて

私は波打ち際になるから、いつまでもそこで見ていて

22-0517

平日の夕方四時の西日を受けて健康の疑似体験をしている 頑張るとはどういうことで頑張らないのはどういう状態なのか今の私には分からない、何も

歩いて近くのスーパーに行って見切り品を見かけてあーとかえーとかその場に立ち尽くし散々考えた挙句次来てあったら買おうとか弱腰になってしまうのは全部不健康のせいなのかもしれないし、そうでないかもしれない

ヤマハのスクーターが欲しい

ヤマハのスクーターがあればすべてが上手くいくような気がする

スーパーの隣にはややデカめの神社があり、樹齢500年かと思うくらい幹が立派で、私の無知ゆえに本当に立派な御神木がある 御神木のヘナタトゥーを彫り、得体の知れない御神木の力に運命を狂わされる第一話

あらゆるところに同時にいる

郵便局の透明な自動ドアをくぐって整理券を取り、クーピーの水色みたいな合皮の長椅子に座ると、ふと昔読んだ本と自分の記憶との区別がつかないと思ったのだ 郵便局みたいなあらゆるところにあるものは、夏の田園風景と同じ普遍性を共有している

端っこがよれた緑の封筒と、消毒液で濡れてしみになった整理券と 文字になったそれとそれはそのまま文字の形になって 何度も何度も思い出せば強い光を見た後に生じる残像みたいに私の瞳に焼きついて そして例えば太陽は存在自体に強烈な事実を携えて でも私の瞳に生じた残像は私にしか見えないもので その関係は記憶の生成過程とよく似ている

デノテーション/コノテーション

分裂していく彗星みたいにあちこちに降り立つことができたらいい 軌道を回る惑星を横目に無秩序な存在になれたらいい どれでもいいから盛大に肩をぶつけてやる 永遠に生きて、永遠に死ぬ 私はもう何のメッセージにもなりたくない 私の行動はすべて自然現象だと思ってほしい 

今日もたくさんいいことがあったねと暖かな布団に包まれて眠りに就く 朝になって起き上がり、冷たい床に足の裏をつけて、手のひらの輪郭がくっきりとしてきた頃にふと気づく 君は、いつか本当に星になってしまうのですね 一度そのことを確信してしまえば、言葉が急に意味の邪魔をして もはや触れることでしかこの感情を伝えられないと思うのです 

私の願いはいつしかこんなふうに形を変えました