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不定期こーしん☆

あらゆるところに同時にいる

郵便局の透明な自動ドアをくぐって整理券を取り、クーピーの水色みたいな合皮の長椅子に座ると、ふと昔読んだ本と自分の記憶との区別がつかないと思ったのだ 郵便局みたいなあらゆるところにあるものは、夏の田園風景と同じ普遍性を共有している

端っこがよれた緑の封筒と、消毒液で濡れてしみになった整理券と 文字になったそれとそれはそのまま文字の形になって 何度も何度も思い出せば強い光を見た後に生じる残像みたいに私の瞳に焼きついて そして例えば太陽は存在自体に強烈な事実を携えて でも私の瞳に生じた残像は私にしか見えないもので その関係は記憶の生成過程とよく似ている